カムログインプラントのインターナルジョイントは、アバットメントから延長されたチューブ部と回転防止のための3つのカム(図1,図2)から成り立っています。
アバットメントのチューブ部分は単なる筒の延長ではなく、図2に見られるように4段のステップがついておりインプラント体内部への導入のガイドとなります。この延長チューブ部の長さは5.4mmですが、これは機械工学に基づいて設計されたものです。
図3にあるように円筒状の二つのものを接合する際には、挿入される長さとその内側の直径の比が1.4:1以上であることが必要です。これによって、ジョイント部分が安定し35N/cm〜40N/cmといった強いトルクでねじ止めする必要がなくなります。
図4はアバットメントとインプラントジョイント部の断面、図5はジョイントしたものをX線で見たものです。アバットメントのチューブ部がインプラント体内壁に精密に適合し、二つのパーツが一体構造になっています。スクリューは二つのパーツを締め付けトルクで維持させるために用いられるのではなく、このような一体構造を保つためだけに使用されますので、わずか15N/cmというトルクラチェットを使わず手で締める力だけで十分なのです。※1
この直径と長さの比をカムログシステムに当てはめたものを図6、図7に示します。
d1 : インプラントの外径、 d2 : 上端部内径、 d3 : 下方部内径、 L : チューブ部長さ
d2とd3の平均値とLとの比は全て1.4:1を大きく上回っています。
以上のような条件を満たす本当の意味でのチューブ・イン・チューブ連結はカムログインプラントシステムだけです。以下に他のジョイント様式との比較を示します。(図8)
図8-aはエクスターナルヘックスジョイント、図8-bはインターナルヘックスのチューブの長さが短いもの図8-cがカムログのチューブ・イン・チューブジョイントです。図8-a,図8-bではスクリューに大きな負荷が加わっているのがわかります。
カムログインプラントは独自のカム構造によってアバットメントの回転を防止しています。このカム構造は1997年より既に発表され、パテントで保護されています。図9のように真円の内周に沿って3箇所にカムが設けられています。またカムの形状は単なる円形ではなく、平行な側壁と半円部からなっていますので回転方向の遊びはほぼ0といえます。(図9)
図10は類似のジョイント構造体ですが、上記のような真円とカムの構造になっていないため回転方向の遊びが3°と大きくなってしまいます。
回転方向に限界を超えるトルクを加えた場合カムログインプラントではチューブ部分が真円であるためカム部分のみが破折し、インプラントが保護されるのに対して、図10の類似構造体ではインプラント相当部に破折応力が生じています。
このようにカムログインプラントシステムはカムログジョイントを有することにより、精密性と安全確実性というインプラントシステムにとっては欠くことのできない特質を提供できるようになりました。
具体的には、他に比類の無い印象精度が得られることから補綴物に関するラボとチェアーサイドの誤差がなくなり、またチューブ・イン・チューブの機構によってスクリューの緩みや破折というトラブルをなくすことができました。
|
 |
|
|
|
| ※1 |
各パーツをねじ止めする際には、一旦締めた後、5〜10分程度待ってから再度増し締めしてください。 |
| 参照文献 |
"Lateral Load and Torsion Behavlor of
the New Internal Abutment Connections" Nagel A.,Ackermann.K.Merkle,H,Kirsch
A,Sager D
2001年 AO学会(トロント) |
|
 |
|